【理事 大江正男のエッセイ その2】

【心とからだが変わる笑医(わらい)のちから】

放送大学・文教学院大学客員教授
医学博士 高柳和江先生の講演から

大江 正男

・平成24年11月17日 難病リハビリセンターに於いて PM2時〜3時30分まで

癒しの環境研究を主宰されておられる高柳先生のモットーとされている「幸せになりましょう!」として、次に掲げる三つの要素を上げられました。
@楽しいこと
Aのめり込むこと
B役に立つことをする
(これをポジティブ心理学と言います)
この三つの要素を隣の席の方と声に出して、お互いに教え合うことによって、覚え込む方法を手始めに、この講演を始められました。

私たちが感じる、不快感・恐怖の中枢であるアミグダラ(扁桃体)が不快と感じたストレスは免疫を低下させるようです。身体的病気になると、うつになりやすく、うつを合併していると死亡率が高くなるのも医学的にも相違ないようです。
ここで、アミグダラパニックを働かさないことが必要で、心の安全である「笑い」を提供することを示唆されました。そして、こうした笑いは、自然治癒力を高めることを自覚したとき、病気を気にしない快復力もつくようです。
このように、"笑医(わらい)"で早く元気になる患者さんを増やしましょう!と述べられ、笑いは免疫力を上げることを力強く呼びかけられました。
また、遺伝子を環境でかえて、笑える環境を意識的につくり、自分の体も変えられることを述べられました。
また、若くして29歳で亡くなった高杉晋作が残した言葉は、「大変な時代だけど、最後まで大いに楽しみましょう!」だった、と彼の言葉を引用し、今の時代と同じではないでしょうか?と問い質され、「やっぱり、楽しく生きていきましょう!」と、まずは、会場の雰囲気を盛り上げられました。

◇以下、この講演の中での奨励や事例を列記してみました◇

(1)1980年代のクエートで10年間、小児科医として、子供たちを診ていたのです。その時のエピソードは、医師のシリア人、麻酔医のエジプト人という、外国人(私も含めて)、フィリピンの看護師と共に、治療を行なってきました。その中で赤ちゃんの食道と胃と腸の手術をしてきました。このように、手術を専門に医術を展開していたようです。そんな中で、手のひらにのるような、700グラムの赤ちゃんの腸を手術をしたことがあり、その赤ちゃんの手術は成功しました。
ところが、赤ちゃんの父親は、手術の成功は、医師の力ではなく、「アラーの神様」のお陰といいながら、太陽に向かってお礼のお祈りをしていたそうです。そうしたとき高柳医師は、「手術して治したのは私です」と言いましたら「そんなことは分かっている」と言いながら「アラーの神」に向かってお祈りを続けたようです。

また、講師は、この赤ちゃんと、同じ状態の700グラムの日本の赤ちゃんがいたことを述べられ、どちらの赤ちゃんが生き延びられたのか?の問いかけを、会場の皆さんへありましたが、会場の答えは、「クエート」という答えが大半でした。
正解は、「クエート」でした。高柳医師は、このとき、秋田から駆けつけたおばあちゃんが、お嫁さんに向かって「こんどは、元気な赤ちゃんを産みなさいね」というと、日本の赤ちゃんは「わたしは望まれていないんだ。それでは、さようなら」と言いつつ?天国へ召されたそうです。ほんとに赤ちゃんに大人の思いが届いたかは別にして、クエートの赤ちゃんは、生死は「アラーの神」が決めてくれるんだ、という祈りを込めて、一生懸命に命乞いをされたようです。そして、「神が助けてくれた命だから」と言い、翌日には手術をした赤ちゃんを連れて帰ろうとしますが、日本は違いますね。まずは、食道を繋ぎます。そして、食道から漏れてはならないということで、胃を繋ぎ鼻から管を通して、乳を飲ませます。このように、絶対、口から飲ませません。

クエートは、イギリス方式で赤ちゃんを育てる方法を取り、死なないようにと、手術が終わったばかりなのに、母乳の初乳を飲ませ、とにかく「免疫力」をつけることを第一にしているからだそうです。何故なら、母乳の初乳は免疫力が高いからのようです。さらに、手術をした腸は腫れているので、傷口が押さえつけられ、飲んだ母乳は漏れないので腸に栄養物として吸収され、力が付くと言うことなのです。
ということで、クエートの赤ちゃんは助かるのです。それは、自己治癒力と、こぞって助けようとする、そして、「死なせない」という周りの力も作用していると言えるのです。

日本に帰ってきて驚きました。何故なら、生かす方法を取らない、死ぬこと、死なせてしまうことの日本式は、「ダメです」と言わざるを得ない情況を観たとき、本当に嘆いたようです。
そして、復唱するように、まずは「免疫力」をつけることが、最も大切であることの説明を加えられました。

気温が50°もあるクエートの病院は、砂漠の中にあり、木を植えて環境を整え、優秀な医師や看護師が従事して、設備は、スエーデンより取り入れ、充実した医療が施されているようです。

(2)「生活を楽しんでいない」人は、「脳卒中」や「心筋梗塞」に罹患し易く、その上で、亡くなってしまう率が多くなっているようです。

(3)文頭で明記しましたが、脳には「海馬(かいば)」という記憶の中枢があり、その先に「扁桃体(へんとうたい・以下同じ読み)」という中枢があります。ここは、ある刺激があるとき、例えば、良い匂いか悪い匂いか、ぱっと分かるのが「扁桃体」ですが、その「扁桃体」が、これは、悪い匂いだ、と感知すれば、「交感神経」にいきます。そうすると、血圧が上がって、心臓がパクパクとなって、「何処に逃げよう」となります。こうして、一応逃げられますが、体はボロボロになります。
また、良い匂いがして、それがバラの匂いだと感知すると「これは、なんと気持ちが良いんだろう」と、交感神経は落ち着きます。その真逆(まぎゃく)は、交感神経が高くなり情況が悪くなるということのようです。

(4)体の調子が悪くなれば、うつになります。うつの3分の1は病気です。うつは、「精神科学会」では、一般の場合の「うつ」は、5.8%です。100人おれば、5.8人が「うつ」ということです。これが原因で合併症をもたらすことが多くなります。

いずれにしても、病体と「うつ」の関係は、相関関係にあり、「脳卒中」にしても「心筋梗塞」にしても、合併症として占める割合は多いようにカウントされているのは事実のようです。要するに、病気になれば「うつっぽくなる」と言えるようですが、「うつとの合併症」を引き起こすようになれば、死亡率も高くなる、という統計も発表されているようです。
また、現時点では、賢察するところによると、「心筋梗塞」で死亡する人は少なくなっているのは明きらかのようですが、「心筋梗塞に罹患したときは、うつになってはいけない(会場全員で復唱)」ことを強調されました。最近の「心筋梗塞」病体への対応は、手術をすれば、生きていけるということを自覚して、対応力を養うことが大切なことのようです。ということは、「扁桃体」が怒らないように、やさしく、そして、ストレスを与えないようにすることが必要なことのようです。(ここで、スクリーンに映し出された、ロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相の対談の様子について、表情がかたく、笑顔がない表情は:ストレスを感じる場面であることを説明されました)

(5)不快な事は言わない。ブラックジョークは言わない。このことは、扁桃体が関わるようになり、ストレスを招く要素があるようです。例えば、バラエティーの中で、相方の頭を叩くシーン等がありますが、あれは、扁桃体を怒らせるようです。

(6)感情の三原則(喜・怒・哀・楽)
・幸せホルモン テロトニン等があり、人間の脳は幸せになるようにできているんだよ。
・元気になるドーパミン
・幸せになるエンドレン

(7)人間はいつから笑うの?→お腹の中からです。
お腹の中で笑っている表情がスクリーンに映し出されました。お腹の中の胎児が笑うこと、これは、以外でした。

(8)脳には三つの種類があります。
・爬虫類の脳 生命活動をする脳 呼吸とか循環するとか 食欲 性欲
・馬の脳   大脳扁円形、反応視床下部
・人間の脳  脳幹で食欲、睡眠、性欲、 呼吸
       大脳皮質 知的活動 笑うのは人間のみ

(8)表情から、年老いて見える人より、若く見える人の方が長生きをする。
  (実年齢より若く見える人)
・岸 恵子 82歳 若く見えると言ったら彼女は怒った。「私は若いんです」と言った          そうです。実生活では笑い飛ばしているようです。

(9)笑いを呼ぶ 発想の転換:川柳
・年金の 扶養に入れたい 犬と猫
・三時間 待って病名 加齢です
・年齢を 不要と書いて 医者通い
・女子会と 言って出かける ディケアー
・L E D 使い切るまで 俺生きる
・指一本 祭祀が俺を 使う妻

(10)オリンピック選手オスカー(前向きな姿勢をもつ)
・オスカー:俺は障害者じゃない、足が無いだけだ。と言って義足で走った。
・パラリンピックにも出場した・
・5歳の子供が、義足を付けて、オスカーが走る姿を観て、「アスリ−ト(運動選手」 だ、と言った。
※この子に言わせたすり込みは、実に素晴らしいことだと思う!要は、この情況で、常に 前進する、そして、前向きな発想の転換が必要なのです。

(11)「1リットルの涙」映画やドラマで見た人、または、書籍で読んだことがあると   思いますが、15歳から25歳まで一生懸命生きた女性が残された言葉です。
 それは、「生きることは、それだけで、いとおしく実に素晴らしい」という言葉を残してくれたことは、私たちに勇気を与えてくれました。

・発想の転換は、心に余裕があるときにできることですね、という心の持ちようの大切さ を知った。

(12)笑いによって生活の基盤が変わってくる
・週に1〜5回の笑いしかない人 高血圧になりやすい。
・月に1〜3回の笑いしかない人 糖尿病になりやすい
・笑えない人は、非情になります。
・声に出して笑える人は、高血圧にも糖尿病にもなりにくい
・笑う人は、認知症になりにくい。
・5歳までしか生きられない女の子の望みである「ちょうちょ」を探しに北アメリカから 南アメリカまで探しに行ったご両親。それも、住んでた家を売って、少女の為に行動した話もいいですねぇ。この精神の切り替えは、やはり、発想の転換であります。
・ジャネットリーは、肝臓ガンであったが、ガンが治ってしまった。ガンを意識しないで 別のやりたいことを押し進める事が、最も大切なことです。
・書いたら安心して忘れるので、復唱を繰り返すことが必要です。
・講師の知り合いで、71歳で膵臓ガンの人がいました。
2009年 膵臓ガンを発症しました。そして、この方、2009年にあと3ヶ月と宣告されました。2009年11月、12月、2010年1月17日に高柳先生の所に来ました。そこで、生き方を変えて、「笑う」事を第一にしました。それで、12月26日に、三つあった腫瘍が、3月29日に検査をしましたら、腫瘍が無くなっていたんです。2009年11月にカンマ300あったのが、2010年1月26日に計ったら190に下がっていました。私の講座を聴いて、現在では、もう、正常です。マーカーは正常で、体重も6キロ増えました。こういうことがあるんですね!笑うことは良いですね!!でも、適切な静養と、時々、医師に診てもらって下さい。私は笑い塾の塾長であっても、神様ではありませんからね。既成概念を壊さないように!
・知人でクロン病の方がいらっしゃいまして、その彼は、3人で会社を立ち上げられまし た。そして、合間に「ライブ」をやっていました。「どうしてライブをやっているの? と聞きましたら、「高柳先生に笑いの術を教えられたからです!」(会場笑い)
 クロン病による腸の病を治す為に、やっているようです。
・人生は、目標をもって生き抜く必要がある。それは、目標を持ってそれに向かって突き進むということです。このことは、現在、増加の傾向があるアルツハイマーの症状が出なくなると思われます。とにかく、何となく生きるのだけは止めて欲しいですね。
・難病でも生きてやるぞー。の強く生きる、という、意気込みが大切です。
・92歳のおばあちゃんも肺ガンを持っているが、元気に生きています。
・96歳のおばあちゃん、細胞ガンを持っているが、元気なんです。(病気なんて)知らないよ、と言っているようです。
・98歳のおばあちゃんは、肝臓ガンに殆ど侵されれていましたが、一向に気にせず生活を営んでいましたが、亡くなったのは、脳梗塞が原因でした。必ずしも持っているガンで亡くなるとは言えないのです。
・高齢で、ガンが原因で亡くなった場合、天寿といいます。
・「ほほえみの太陽」
 Aさん、Bさんに分かれて、褒め合う。
 「Aさんは、センスが良いですね」
 「その通りです。Bさんは、お目が高いですね」
 「Bさんのネクタイは、若々しくてぴったりですね」
 「私もそのように思っていますが、Aさんも本当にお目が高いですね」
 ※お互いに褒め合うことによって、自然に雰囲気が盛り上がり、笑いが生じます。
・笑いの細胞「NK細胞」といいます。
・胃ガンで手術をしなければならない人に手術を拒否し、逃げ回ったが、検査の結果、胃 の中全体がガンに侵されていました。高柳先生の仲間の先生に頼んで「笑医塾(わらいじゅく、以下同じ)」に通って 、1年間、ずーっと笑っていました。1年が過ぎ再検査を行ったところ、ガンが消えて いたのです。
・猫アレルギーの少年が「笑医塾」に来ました。猫に触れば、水疱が出来るほどのアレル ギーだったのです。さらに、水疱が出来て、指が曲がらないほどでしたが、高柳先生と「笑医塾」で、先生と半日過ごしただけで、猫アレルギーが治ったのです。
・リウマチで、歩けないほどの大変な病状でしたが、2日目は、胸を張って動けるように なり、3日目は、杖など要らないといいながら、走って帰っていったそうです。それから、日に日に服装が派手になっていったそうです。こうして、生活感も皮って、明るく過ごせるようになったのです。
・「笑医塾」の講座に参加して、笑いのある生活をすれば、遺伝子も良い方向に変遷することが分かりました。
・「村上和男先生」の「笑いの入門」を書かれた人で、食事の前に、必ず「インシュリン 」をうつ方ですが、時々、インシュリンを忘れます。血糖値は、食事の前は170ですが、食後は、250ぐらいになります。
 この先生が、「笑医塾」が終わり、食事にしょうこう酒を飲んでいるときに、「インシュリンを忘れた」と言いつつ、食後に血糖値を計ったら、140でした。
・リウマチで、さらに、動脈瘤の病を抱えていた方も、治ったということで、大きな荷物 を持って、軽々と足早に帰っていきました。
・リウマチで、手足が思うように動かなかったが、「笑医塾」に通うようになって、良くな ったので、スイスイと帰っていきました。これらの症状が良くなったのは、あくまでも「自己治癒力」によって、治すことが出来たということなのです。要するに、自分自身で、治る、治ると自分自身に言い聞かせることも必要です。
・精神的に良くなった人、10秒と経っていられなかった肺血腫の人、70歳の人出「鬱 状態」の人を高柳先生のお弟子さんが「笑い療法」を2週間続けたら、2年ほど入院していたのに、退院して帰っていきました。
・大切なことは、その人の心の有りようを理解して上げることです。
・「うつ」で、30年苦しんで生きてきたのに、「笑医塾」の治療によって、「自殺するのは、やーめた」と言って帰っていきました。
・青森県で「自殺予防の笑いの講座」を開催したあと、自殺志願者であった人が、今では 「笑医塾」のお手伝いをしていました。3年後青森空港で、「あのとき、ほんとに死ななくて良かった」と言われたそうです。
・青森県は、虐待、いじめによる自殺数は、第2位だったのが、今では、第7位になりま した。これも、「笑医塾」による講座が大いに寄与していると自負されているようです・笑いは、心に余裕を持たせることが出来ることを、自身をもって言えることであり、「笑医塾」によって実践治療を続けることが、「うつ」で悩んでいる人を救っていくことだと思います。心からの笑い、心に余裕を持って生きることが大切なことなのです。
・現在、「笑医塾」を取り入れて頂いている県は、「青森県」と「兵庫県」です。そして、市では「成田市」のようです。

※ここまで、全て、会場の皆さんで、大事なフレーズは、声を出して、隣同士で復唱し合って覚えます。
その時の、会場の雰囲気は、最大に盛り上がります。分からなかったら教えてあげます。というように、この雰囲気が笑いを引き起こし、心安らかに気持ちの安定をもたらしました。
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高柳先生は、私が幸せ、あなたが幸せ、そして、社会全体みんなで幸せになることを目的としています。目的は一つ、私たちが、心から幸せに思えるように、そして、心が解放されることを願っています。笑医(わらい)の本質は、幸せによって免疫力が高まり、笑いの中に「うつ」から解放され、病さえ吹き飛ばす力が潜んでいると言っているようです。
人生は、山あり、谷ありです。それぞれの人生は、勿論、自己管理が肝要ですが、笑い合える家族であり、親戚、友人、知人であり、周りの人たちです。ということになれば、病気も治って、社会全体が幸せになることを確信しているようです。
「うつ」をなくして、「健全で余裕のあるこころ」をもちましょう!!
以上

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