第14回 医療情報講演会

見えにくい見えない人のための
第14回 医療情報講演会

<目的>
網膜色素変性症は国の指定するところの難病です。治療の方法も確立されておらず、長期の療養を必要としております。医学的な治療だけでなく、新しい医療についての講習会を通じて、病気の理解を深めていくことを目的としています。

<事業主体>
網膜色素変性症の患者と家族の会 石川県支部 通称「色変・ひまわりの会」石川県支部

<対象>
石川県内の視覚に障害のある方(網膜色素変性症 ほか)

<内 容>
【日時】 平成29年11月19日(日)午後1時〜3時
【場所】 石川県勤労者福祉文化会館
(フレンドパーク石川)2階ホール
石川県金沢市西念3丁目3番5号
【参加方法】 直接会場にお越しください
【参加費】 無料
【講演】 「人工網膜システムの開発」
【講師】 株式会社ニデック アイケア事業部 開発本部 人工網膜開発室 大澤 孝治様

【主催】網膜色素変性症の患者と家族の会石川県支部
【共催】石川県難病相談・支援センター 特定非営利活動法人 ぴあサポート

★【研究内容】★
これまで
2001年から開発を開始した人工視覚。そしてシステムを構成するそれぞれのデバイスは、何?も試作、実験、検証を繰り返し、ひとつひとつ、要素技術を積み上げながら、最終的なシステム開発を推進しています。特に、体内にインプラントする装置は、大学との共同研究を中心に、各種試験で慎重に安全性の確認を繰り返しながら開発しています。
2005年、2008年には、STS方式人工網膜システムの刺激方式の安全性と有効性を確認するため、研究開発パートナーである大阪大学医学部との協働により、手術室内で短時間の刺激をおこなう急性臨床試験が実施されました。
続いて2010年におこなわれた亜急性臨床試験では、STS方式人工網膜システムの試作機を約1ヶ月間、患者さんに使ってもらう試験をおこないました。システムを実際に使ったときに得られる視覚を評価する機能評価試験では、患者さんの眼の前に棒を提示し、見えた棒の位置や太さ、移動方向などを質問し、答えてもらいました。これらの機能評価試験で得られた多くのデータや、術後の検討結果から、STS方式による人工網膜システムの安全性、有効性を試作機レベルで確認することができました。
現在、そしてこれから
これまでの結果をもとに、現在はシステム装置の完成度を上げるための開発をおこなっています。次は、より長期間の臨床試験を実施し、システムの実用化にさらに一歩、大きく近づく予定です。
研究開発パートナー
人工視覚の開発は医工連携の国家プロジェクトとして2001年に発足し、現在も大阪大学医学部、奈良先端科学技術大学院大学などの研究機関との緊密なパートナーシップのもと、推進されています。
・大阪大学 眼科学教室
・大阪大学 大学院医学系研究科 感覚機能形成学教室
・奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 光機能素子科学研究室
■実用化へ加速
 同社は今年度から「人工網膜開発室」を発足させ、実用化に向けた動きを加速。「研究から事業のフェーズに入った」とする。国立研究開発法人「日本医療研究開発機構」の事業に採択され、1年後には6人の患者に装置を埋め込む実用的な治験も始まる。早ければ20年頃にも販売を始められる見込みで、小沢さんたちは「創業当初は『できたらいいな』と考えていた技術がここまで来た。一人でも多くの人が光を取り戻せるよう全力で取り組みたい」と決意を新たにしている。
現時点での技術・生産体制では、販売価格は1台1000万円かかるといい、超えるべきハードルはまだ多い。開発室長の大沢孝治さん(57)は「生産の省力化などで、少しでも安価で提供したい」と意気込む。


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